pCloudについて
スイスを拠点とする会社ですが、日本語対応が完璧です。DropboxやBoxといったサブスクリプション型のクラウドストレージとは異なり、pCloudは買い切り型のクラウドストレージサービスを提供しています。
rcloneについて
rcloneはオープンソースのマルチスレッド対応コマンドラインプログラムで、クラウドやその他の高遅延ストレージ上のコンテンツを移行するために使用されます。その主な機能には、同期、転送、暗号化、キャッシュ、ユニオン、圧縮、マウントなどがあります。rcloneはS3やGoogle Driveを含む多くのバックエンドに対応しており、もちろんpCloudもサポートしています。
バックアップの重要性
バックアップはデジタルデータを保護するための最も重要な手段です。現代の生活において、デジタルデータの喪失は貴重な情報や作業の中断を引き起こす可能性があります。ハードドライブの故障、ランサムウェアによるデータの暗号化、自然災害による破損など、さまざまなリスクが考えられます。これらのリスクに備えるためには、以下の3-2-1バックアップ戦略が推奨されます。
3-2-1 バックアップ戦略とは?
- 3つのコピーを持つ
元のデータのほかに、2つの追加コピーを作成します。これにより、データが失われた場合でも他のコピーで復元できます。複数のコピーを持つことで、予期しない障害やエラーによるデータ喪失のリスクを大幅に軽減できます。 - 2つの異なるメディアに保存する
1つはローカルストレージ(例:外付けハードドライブ)に、もう1つは異なるメディア(例:クラウドストレージやネットワークドライブ)に保存します。異なるメディアを使用することで、物理的な障害やメディアの故障に対するリスクを減らし、データの安全性を高めます。 - 1つをオフサイトに保管する
データのコピーの1つを自宅やオフィス以外の場所に保存します。自然災害や火災、盗難などのリスクを避けるためです。クラウドストレージや外部のデータセンターを利用することで、データの喪失や破損に対する強力なバックアップを確保できます。
この3つ目のステップを実現するために、pCloudのようなクラウドストレージを活用することが推奨されます。
rcloneの必要性
pCloudにはバックアップや同期機能が搭載されていますが、特に初回のバックアップはデータ量が大きくなるため、処理が途中で止まることがあります。この問題を解決するために、比較的安定してバックアップや同期ができるrcloneを使用します。 また、pCloudの機能では、pCloud側でデータが削除されるとオリジナルデータも削除される可能性がありますが、rcloneを使うことでこれを避けることができます。 転送速度は、pCloudの標準搭載されているバックアップや同期機能の方が、rcloneに比べ早いと思っていたのですが、体感速度的に大きな違いはなさそうです。
なにより、pcloudの標準搭載機能である同期は頻繁に止まるのに難儀しました。(マシンスペックの問題かもしれませんが。)
rcloneの設定
rcloneのインストール
sudo apt install rclone
rcloneにpcloudリポジトリを登録する。
rcloneにpcloudのクラウドストレージを登録します。
rclone config
No remotes found, make a new one?
n) New remote
s) Set configuration password
q) Quit config
n/s/q> n
Enter name for new remote.
name> pcloud #(任意)
以下の選択肢の中から、pcloudの番号を選択します。
Option Storage.
Type of storage to configure.
Choose a number from below, or type in your own value.
OAuth Client Id、OAuth Client Secretを聞かれますが、入力不要で大丈夫です。 ついでに、Edit advanced config?もn(No)で大丈夫です。正直、何の設定するか分かりません。
Option client_id.
OAuth Client Id.
Leave blank normally.
Enter a value. Press Enter to leave empty.
client_id>
Option client_secret.
OAuth Client Secret.
Leave blank normally.
Enter a value. Press Enter to leave empty.
client_secret>
Edit advanced config?
y) Yes
n) No (default)
y/n> No
This value must be a single character, one of the following: y, n.
y/n> n
以下は、GUIでの設定であれば、Yes。 ターミナル上での設定であれば、Noだと思います。
Use auto config?
* Say Y if not sure
* Say N if you are working on a remote or headless machine
y) Yes (default)
n) No
y/n> y
その後、pcloudへのログイン設定に従い、ログインします。
Configuration complete.
すると、アクセストークンが発行され、リポジトリが作成されます。
バックアップの設定
cronなどの設定を行い、作成したpcloudのリポジトリへ定期的にディレクトリ、ファイルを同期します。